少ないテストステロンを増やして大丈夫!?筋トレや食べ物、サプリで薄毛対策!?

目次
ここでは薄毛やハゲの原因?と言われるテストステロン(男性ホルモン)について解説していきます。
・テストステロンとは?!男性には必要なホルモンだった!
・女性ホルモンと男性更年期障害とは!?薄毛にも関係が!?
・筋トレと薄毛は関係があるのか?テストステロンで知る。
・食べ物やサプリの亜鉛(ZINC)でテストステロンを補おう!
上記を踏まえテストステロンと薄毛やハゲの因果関係を分かりやすく紹介してみたいと思います。
テストステロンとは薄毛にとって良い?悪い?
男性ホルモンとも呼ばれる、テストステロンとはアンドロゲンの一種でステロイドホルモンのひとつです。
男の子が生まれる前は母親の胎内で、大量のテストステロンが分泌され、それを浴びる事で男性としての脳や顔、骨格が形成されていきます。(一次性徴とアンドロゲンシャワー)
この時に陰茎部の形成にはテストステロンと5αリダクターゼが結合して代謝されたジヒドロテストステロン(DHT)が担っています。(成人になると厄介な脱毛ホルモンに変化するホルモンです。後述します。)
その後、思春期(小学生中学年~中学生)では二次性徴として精子の増大や、性への意識なども持ち始めテストステロンが体内で大量に分泌されている事が分かります。
この頃は反抗期も重なってるのでご両親も大変な時期です。
テストステロンは男性にとって必要な脳の考え方や、骨格、筋肉、血液の形成をする働きがあります。
それ以外にも体脂肪減少、性欲やバイタリティの向上など男らしさをアピールする為に必要なホルモンなのですね。
血中濃度でテストステロン値が高い人は、高次精神機能が発達しているので、チャレンジ精神や競争力、集中力が高く、且つ仲間を大事にするリーダー的存在に多い傾向があります。
このテストステロンは睾丸で95%、副腎で5%が分泌され、成人男性の1日の分泌量は7mgくらいと言われています。
ほとんどのテストステロンは睾丸の精巣でライディッヒ細胞(間質細胞)から分泌され放出されます。
分泌されたテストステロンは血液に流れ込みますが、10分~90分程で半分になりほとんどの量は肝臓で代謝、尿へ排出されるようになります。
わずかな量ですが、女性ホルモン(エストロゲン)へ切り替わるテストステロンも存在します。
女性にも存在する!女性ホルモンも知る!
テストステロンは女性にも存在し、男性と比較すると5~10%程度が卵巣や副腎から分泌され、陰毛の発達に関与しています。
逆にテストステロンではなく女性ホルモンは発毛効果がある為、女性は男性型脱毛症にはなりにくいとされていますが。
女性ホルモンについて
女性ホルモンはエストロゲン(卵胞ホルモン)と、プロゲステロン(黄体ホルモン)の二種類があります。
エストロゲンは子宮内膜を増やし、プロゲステロンは増殖した子宮内膜を受精卵が着床しやすい状態に整えます。
エストロゲンは毛髪や皮膚の潤いを保持し、コラーゲンの生成を促します。
プロゲステロンは体の水分や、食欲、体温などの調整をしています。
この両方の分泌量は女性の一生を通して15g程度、それだけで女性らしさをコントロールしているのですね。
女性が分泌するテストステロンの量はエストロゲンの10倍以上ありますが、健康な状態であれば女性ホルモンによって調整されます。
しかしストレスホルモンを抱え始めたりすると、エストロゲンやプロゲステロンが減少、男性ホルモンが優位に立つ事でDHT(ジヒドロテストステロン)が発生し脱毛の原因になるのです。
40歳で急激に減り始める女性ホルモンは、50歳あたりには閉経でほぼ0になってしまいます。
ストレスや過酷なダイエット、更年期や閉経でホルモンバランスが乱れやすくなり、活性酸素も発生するので薄毛になりやすくなるのです。
さて男性に話しは戻ります。
「薄毛の人はテストステロンが多い!」
と言われたりしますが、これは間違っている訳でもありません。
ジェイソンステイサム、孫正義、トレンディエンジェル 斎藤、トランプ大統領・・・、この方達はテストステロン値も高いでしょうし、DHTも多く発生しているのです。
本来髪の毛は、毛細血管から栄養や酸素を受け取った毛乳頭が毛母細胞に指令を出し、細胞分裂を起こす事で成長していきます。
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しかし毛細血管から流れてきたテストステロンと毛乳頭細胞に存在する5αリダクターゼⅡ型という還元酵素が結合する事でDHT(ジヒドロテストステロン)が発生します。
DHTは男性ホルモン受容体(アンドロゲンレセプター)と結合すると、TGF-βという脱毛因子が生まれ、毛母細胞を攻撃してAGAの脱毛原因となるのです。
DHT(ジヒドロテストステロン)と言われるものも男性ホルモンのひとつで、脱毛ホルモンとも呼ばれています。
このDHTを発生させない為には、ひとつ手前の5αリダクターゼⅡ型を抑制する事で、AGAの抜け毛は抑えられる事が分かっています。
5αリダクターゼは2種類存在し、Ⅱ型は髭や体毛、前頭部、頭頂部の毛乳頭に多く存在します。
Ⅱ型は前頭部や頭頂部の毛乳頭へTGF-βが作用して脱毛を促しますが、髭や体毛にはIGF-1(成長因子)が作用するので逆に濃くなります。
(毛深い人がハゲると言われるのはこのためです。)
Ⅰ型は皮脂線に多く存在するのでオイリー肌(脂性肌)の方では側頭部や後頭部を中心に薄毛が進行していきます。
(上記図参照)
男性に必要なテストステロンが減少すると5αリダクターゼが男性ホルモンを生成しようとDHTを増やす事が近年の研究で明らかになっています。
つまりテストステロンの多さが薄毛の原因ではなく、DHTの代謝量又は5αリダクターゼの分泌量の多さが薄毛の原因として問題になるのですね。
比例するものではないので、テストステロンが多い方が5αリダクターゼやDHTがその分多く産生される事はないそうです。
ただDHTの働きは悪い事ばかりではなく、少ないと記憶力の低下やストレスの増加、運動能力が低くなる事が研究で分かっています。
そして全てではないですが、5αリダクターゼの分泌量は遺伝的な要因も関わりがあるので少し念頭に置いて置きましょう。
ここまででテストステロン自体には薄毛を進行させる作用がない事が分かりました。
テストステロン減少のLOH症候群(加齢性腺機能低下症)は男性更年期障害!
男性のテストステロン値は20歳をピークに、加齢とともに減少していきます。
女性はエストロン(エストラジオール)が年齢を境に急激に減り始めますが、男性はテストステロンが20代頃から年1~2%の割合で徐々に減少していく傾向にあるので気づきにくいとも言われています。
男性はテストステロンの減少が進行する事で丸い正確に近づき、女性は男性ホルモンが優位になり続けると男性らしさが強調されていきます。還暦を過ぎでパワーバランスが逆転するのもホルモンが関係していると言えます。
個人差があるので70代でも30代と同じテストステロン値の方もいますが、不規則な生活を続けていると40代~60代で急激に減少する可能性があります。
特に中高年の方は社会的立場のストレスから自律神経が乱れると交感神経と副交感神経のバランスが取れずに、不定愁訴(ふていしゅうそ)に陥ります。
これこそが男性更年期障害、LOH症候群なのです。
運動不足、睡眠不足、不規則な食生活、過剰なストレスなどからくるLOH症候群は、うつ病や精力の低下(ED)、心血管疾患、メタボリックシンドローム(中性脂肪の増加)のリスクファクターになります。
筋トレしたらホルモンが増加?!薄毛対策にプラス!?
よく筋トレをしたらハゲると聞いた事があると思いますが、この事について医学的根拠はありません。
筋トレをすると男性ホルモンのテストステロンが多く分泌されますが、これはあくまでテストステロンのお話しで薄毛の原因となるDHTでも5αリダクターゼでもありません。
仮にDHTが多く代謝されたとしても男性ホルモン受容体(アンドロゲンリセプター)との感受性も高くなければ作用しないとの指摘もあります。
特に筋トレの為にジムに通ったりしている方は、タンパク質を多めに摂取していると思います。
髪の構成成分は、ほとんどがケラチンタンパク質です。
ジム常連者は筋肉の回復の為にプロテインや卵、豆腐、納豆、牛乳などでタンパク質やアミノ酸を補っているので毛細血管から毛乳頭まで栄養が行き届いている事でしょう。
栄養が不足して、髪の成長を止めてしまってるとは考えにくいです。
一部で指摘されているのは、活性酸素です。
激しい運動によって筋肉が疲労した場合に、体の中で乳酸や活性酸素が発生します。
これは有酸素でも無酸素運動でも発生するもので、乳酸は筋肉に溜まると疲労を起こし、活性酸素は酸化を進行させて筋肉を老化させていく作用を持ちます。
活性酸素は本来、体の中の有害な細菌やウイルスを除去する為の働きをしているのですが、増え過ぎてしまうと良い細胞まで攻撃して劣化させてしまう作用もあるのです。
しかし近年では、運動によって体内では活性酸素も増加するが、その分を撃退する抗酸化物質も多く発生する事が分かっています。
この酵素がSOD(スーパーオキシドディスムターゼ)と言われるもので、活性酸素を過酸化水素水と酵素に分解するので無害となり老化を防いでくれるのです。
つまり筋トレやランニングによる活性酸素の発生は薄毛の進行とは関係がないのです。
そしてテストステロン値が上昇する、運動やトレーニングに関しても薄毛の対策には効果的です。
運動不足はテストステロンが減少し、それを補おうと5αリダクターゼがDHTを多く発生させてしまうからです。
逆に肥満やメタボリックシンドロームはテストステロン以外の事でも、動脈硬化や糖尿病が進行し毛細血管の詰まりは頭皮に悪影響です。
注意するようにして下さい。
食べ物やサプリで予防出来る!?やはり亜鉛(ZINC)!
テストステロンは男性のバイタリティの面で必要なホルモンなので決して減らしてはなりません。
そして食べ物やサプリなどで減らさない事も可能ですのでご紹介していきましょう。
亜鉛は、生殖ミネラルとも呼ばれ5αリダクターゼを抑えるとも言われています。
亜鉛はホルモン合成や精子の生成に大事な成分で、テストステロン維持に必要不可欠です。
人の体には亜鉛が2000mgあり、アミノ酸のタンパク質再合成や骨や肝臓、腎臓の細胞組織を形成する重要なミネラルです。
活性酸素も除去する構成成分であり、不足すると脱毛の他にも精子や精力の減退、免疫力低下、神経感覚障害などが起きます。
味覚にも関与している為、味蕾(みらい)が減少して味覚障害を引き起こす可能性もあります。
成人男性での1日の推奨摂取量は10mgです。
30%が小腸で吸収され、そのほとんどがタンパク質と結合して存在しています。
亜鉛の難しい所は、多く摂取し過ぎても問題なのです。
食事などで補えますがサプリメントを過剰に摂取し過ぎると、銅欠乏や貧血、嘔吐腎障害や免疫傷害など急性亜鉛中毒を引き起こします。
亜鉛は銅や鉄の吸収を阻害してしまうので過剰な取り過ぎには充分注意しましょう。
1日の耐容上限量は中高年の男性で45mgとされています。
亜鉛が多く含まれる食材は下記になります。
・牡蠣、レバー、うなぎ、納豆、ごま、卵、煮干し、ナッツなどの魚介類、肉類、豆類、乳製品などに多く含まれています。
特に多く含まれるのは牡蠣が100mgあたり13.2mg、豚レバーが100mgあたり6.9mgとなっています。
その他にも納豆や豆腐、卵やチーズなどにも2mg~3mgと含まれてるので、やや糖質制限のタンパク質中心の生活をしていたら摂取出来る量と言えるでしょう。
亜鉛は魚や豚、牛の乳製品や鶏の卵など、動物の生命には欠かせない必要な成分なのです。
植物の大豆を原料とする枝豆や豆腐、納豆も同じような事が言えます。
注意したいのは食物繊維やフィチン酸(米や麦や豆類に多く含まれる)、リン酸と一緒に摂取すると亜鉛は吸収が阻害されるので、普段から偏った食事にならないように気を付けましょう。
(フィチン酸は発酵させれば不活性化する為、味噌や納豆は良いとされています。)
亜鉛の吸収率を上げるビタミンCやクエン酸も一緒に摂ると良いでしょう。
お酒のアルコールも体内で代謝させる為に酵素が必要ですが、亜鉛を消化してしまうので尿へ排出されやすいです。
お酒の飲み過ぎには充分注意しましょう。
もしご心配な方は、亜鉛の適切摂取量1日10mg~45mgの範囲内でサプリメントで補うのも良いかと思います。
1日2粒で15mgの亜鉛を摂取出来るものが多いので、1日1粒の7.5mgだけ飲むようにして補助食品としてご利用してみると過剰にならずに服用期間も倍に伸びます。
その他にもテストステロンを増加させる為に、必要なのは良質な睡眠です。
毎日最低でも7時間は寝るように心掛け、真っ暗な所で音も消した状態で精神を落ち着かせながら睡眠につくと活性酸素を抑えてテストステロンも活性化します。
眠りに付いてから3時間程たったノンレム睡眠時に細胞が髪の成長や頭皮の修復作業なども行います。
寝る前は頭皮を清潔にしてから寝るようにしましょう。
如何でしたでしょうか。
薄毛やハゲの対策、改善には生活習慣(ストレス・運動・食事・睡眠)を整えて、テストステロンの分泌を増やす事が良いのですね。
最後までご閲覧頂きありがとうございました。
2019年2月14日 高橋 優一